「MSI SPATIUM M390」シリーズは、PCIe 3.0規格として最速ではないですが、十分な速度性能でした。
今回試したのは1TBモデル「S78-440L650-P83」で、読み出し速度は 3,386MB/s、書き込み速度は 3,252MB/sになります。
動画のような大きなファイルでは、2.5インチSSDほどの書き込み速度しかでないのは残念ポイントです。
この記事では「【MSI SPATIUM M390 レビュー】写真などの軽めのファイル向きのNVMe SSD」について紹介します。
MSI SPATIUM M390 NVMe SSDの特長
「MSI SPATIUM M390」シリーズはPCIe 3.0 x4で、最速ではないですが3,300MB/sほどの優秀な速度が出るNVMe SSDです。
MSI SPATIUM M390 シリーズの主な性能
MSI SPATIUM M390シリーズには、500GBと1TB の2種類あります。
1TBモデルのほうが書き込み速度が700MB/sも速いので、購入するなら1TBモデルのほうが快適そうです。
メーカー名 | MSI | |
---|---|---|
型番 | S78-440K070-P83 | S78-440L650-P83 |
容量 | 500GB | 1TB |
フォームファクタ | M.2-2280 | |
インターフェース | PCIe 3.0 x4 / NVMe | |
コントローラー | Phison E15T | |
NAND Flash | 3D NAND | |
読み出し | 3,300MB/s | |
書き込み | 2,300MB/s | 3,000MB/s |
総書き込み容量 | 200TBW | 400TBW |
サイズ | 2280 | |
保証期間 | 5年間 | |
目安価格 | 7,000円 | 12,000円 |
GB単価 | 15円 | 12円 |
発売時期 | 2021年12月 |
耐久性の参考になるTBWが優秀なSSDを選びたいなら、こちらのTBWを比較した記事が参考になると思います。
搭載コントローラー
搭載されているコントローラーは、「Phison E15T」が搭載されています。
MSI SPATIUM M390の同梱品
MSI SPATIUM M390「S78-440L650-P83」には本体とドキュメントが付属しています。
ネジやヒートシンクは付属していないので、マザーボードに付属しているものを使うか別途購入する必要があります。
箱の中はプラスチックケースで、動かないように固定されていました。
MSI SPATIUM M390の外観
MSI SPATIUM M390の外観は、光沢のあるラベルが貼られています。
裏面にはラベルが貼られている片面実装タイプでした。
端子の形状は切り欠きが1つの「M-Key」です。
メモリやコントローラーなどのチップ類は、放熱性のあるラベルが貼られています。
大きさ
M.2 2280なので、長さは規定通りの80mmです。
幅はほぼ22mmちょうどでした。
厚さは片面実装なので薄めの2.1mmでした。
重さ
1TBモデルの重さは、片面実装で 約6.7gです。
ベンチマーク
1TBモデルの「MSI SPATIUM M390」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | NZXT H210 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3500 |
マザーボード | GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI |
ヒートシンク | MB標準搭載 |
メモリ | G.SKILL DDR4-3200 16GB |
ビデオカード | MSI GeForce GTX 1650 D6 AERO ITX OCV1 |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
結果としては「MSI SPATIUM M390」は少し発熱しますが、データ転送速度は公称値に近い良い結果でした。
65GB以上の容量のファイルだと、途中から速度が落ちてしまうので、動画など大ファイルの扱いには向いていないです。
また保存容量が増えても速度が遅くなってしまうので、長期的に使うのも苦手そうです。
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は41℃くらいでした。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune
CrystalDiskMarkの1GiBで計測した結果は、公式値より少し良い速度が確認できました。
1TBのモデルでは読み出し速度は3,386MB/s、書き込み速度は3,252MB/sくらいの性能でした。
サイズを増やして64GiBでも計測してみましたが、ほぼ変わらない速度のままでした。
SSDの空き容量で速度が変わるかもチェックしてみました。
4分の3ほど使用している状態でも速度は変わらずでした。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
読み出し速度と書き込み速度は、2,200 ~ 2,800MB/sのレンジで書き込みは一定で、読み出しは少し右肩下がりの速度結果でした。
書き込み速度はほぼ公称値に近い結果で、読み出し速度は少し遅めの結果でした。
SLCキャッシュ
HD Tune Pro の File Benchmark で、80GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
65GBあたりで300MB/sくらいまで落ちてしまったのでSLCキャッシュは65GBほどのようです。
実際に250GBの大きなファイルをコピーしてみると、ダイアログ上では70GBくらい転送したあたりで、速度が500MB/sまで落ちてしまいました。
4分の3ほど使用していても、2.5インチSSD並の速度しかでないので、体感的にもあまり良くない結果でした。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFOで確認してみました。
エアフローなど放熱機能が、そこまで高くないミドルクラスのPCでも最大で63℃くらいでした。
CrystalDiskInfo上でも63℃くらいで、そこまで熱くならない感じでした。
それでもヒートシンクは必須!
よくある質問
MSI SPATIUM M390 S78-440L650-P83についての、よくある質問などを紹介します。
TBW(総書き込み容量)はいくつ?
容量ごとに異なりますが、1TBモデルのS78-440L650-P83は、400TBWです。詳しくはこちらの一覧をご覧ください。
価格はいくら?
1TBモデルのS78-440L650-P83は約1万2千円で、GB単価は12円です。
ネジやヒートシンクは付属している?
S78-440L650-P83には、ネジやヒートシンクは付属していません。付属品については、こちらの同梱物についてをお読みください。
MSI SPATIUM M390 レビューまとめ
この記事では「【MSI SPATIUM M390 レビュー】写真などの軽めのファイル向きのNVMe SSD」について紹介しました。
MSI SPATIUM M390はGB単価は少し安めで、速度はそこそこのNVMe SSDでした。
100GBを超える動画などの大ファイルだと、速度が激遅になってしまうので、ドキュメントや写真などの軽めのファイル向きです。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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