普通のファイル操作では公称値通り快適ですが、大きなサイズのファイル書き込みは少し苦手なSSDです。
PCの動作を快適にしたいなら、手頃な価格で性能が安定しているSSDが欠かせません。
そんな中、HDDやSSDでおなじみのなWESTERN DIGITALが提供する「WD Blue SA510 1TBモデル」をレビューしました。
実測値では、読み出し速度が554MB/s、書き込み速度が525MB/sと、一般的なSATA接続SSDとして十分な性能を発揮します。
しかし、ベンチマークソフトでテストするデータサイズを1GBから64GBに増やすと、書き込み速度が443MB/sまで低下してしまう点が少し残念。
また、SLCキャッシュが60GBを超えると速度が大きく落ち込む挙動も確認されました。
この記事では「【WD Blue SA510 レビュー】手頃な価格だけど大きいファイルは苦手なSSD」について紹介します。
WD Blue SA510 の特長
SATA接続の2.5インチSSD「WD Blue SA510シリーズ」の特長について説明します。
WD Blue SA510シリーズの仕様
WD Blue SA510シリーズは、250GB、500GB、1TB、2TB、4TB の5種類あります。
サイズごとの速度のスペックは同じで、一番容量の大きい4TBがGB単価が安くなっています。
メーカー名 | Western Digital | ||||
---|---|---|---|---|---|
型番 | WDS250G3B0A | WDS500G3B0A | WDS100T3B0A | WDS200T3B0A | WDS400T3B0A |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB | 4TB |
フォームファクタ | 2.5インチ | ||||
インターフェース | SATA 6Gb/s | ||||
NAND Flash | 3D TLC NAND | ||||
読み出し | 555MB/s | 560MB/s | |||
書き込み | 440MB/s | 510MB/s | 520MB/s | ||
総書き込み容量 | 100TBW | 200TBW | 400TBW | 500TBW | 600TBW |
サイズ | 厚さ7mm | ||||
保証期間 | 5年間 | ||||
目安価格 | 6,800円 | 8,400円 | 13,000円 | 17,000円 | 33,000円 |
GB単価 | 27円 | 16円 | 13円 | 9円 | 8円 |
発売時期 | 2022年06月 | 2023年07月 |
WD Blue SA510 1TBの速度と温度
WD Blue SA510シリーズの公式値では、最大560MB/sの読み出し速度と最大520MB/sの書き込み速度となっています。
1TBモデルの「WDS100T3B0A」を実際に計測してみたところ、読み出し速度は554MB/s、書き込み速度は524MB/sと公称値に近い値でした。
ハイスペックなPC環境でなくても、公称値通りの高速な速度を確認できました。
読み出し | 書き込み | |
---|---|---|
1回目 | 554 MB/s | 523 MB/s |
2回目 | 554 MB/s | 525 MB/s |
3回目 | 553 MB/s | 523 MB/s |
4回目 | 554 MB/s | 524 MB/s |
5回目 | 555 MB/s | 526 MB/s |
平均 | 554 MB/s | 524 MB/s |
データサイズを64GBにして計測すると、書き込み速度が目立って落ちてしまいました。
計測中の温度を見てみると、だいたい33℃くらいで、ベンチマーク計測中でもあまり発熱しなかったです。
WD Blue SA510の同梱品
「WD Blue SA510」には、以下の付属品が同梱されていました。
- ドキュメント
- 2.5インチ SSD本体
ネジやSATAケーブル、スペーサーなどは付属していません。
箱を開封すると、SSD本体は透明なプラスチックに収まっていました。
ピッタリ収まっているのでガタガタしません
WD Blue SA510の外観
WESTERN DIGITAL「WD Blue SA510」の外見は、黒色のプラスチックっぽい筐体にロゴなどのラベルが貼られています。
シリーズ名の青色が印象的なパッケージです。
SSD本体の裏側には型番やシリアルナンバーが記載されたシールが貼られています。
端子部分には黄色のシールが貼られているので、組み込む前に剥がします。
SATA3対応で、SATA電源ケーブルとSATAデータケーブルを接続します。
ネジ穴は裏面と側面に4つずつ、合計8つありました。
重さ
WD Blue SA510の1TBモデルの重さは約35gでした。
ベンチマーク
1TBモデルの「WD Blue SA510」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | NZXT H210 |
---|---|
CPU | Intel Core i5-12400 |
マザーボード | ASUS ROG STRIX B660-I GAMING WIFI |
ヒートシンク | MB標準搭載 |
メモリ | Crucial DDR5 PC5-38400 16GB |
ビデオカード | なし |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は29℃くらいだったのあまり熱くならない印象でした。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune Pro
1TBモデルでは読み出し速度は555MB/s、書き込み速度は526MB/s でした。
公称値の読み出し速度は560MB/sなので、公式の値通りの結果になりました。
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
64GiBという大きいサイズでは、ガクンと速度が落ちてしまいました。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
一定の速度という結果でした。
読み出し・書き込み性能は、CrystalDiskMarkの計測結果と同じくらいの速度性能でした。
SLCキャッシュ
HD TuneのFile Benchmarkで70GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
結果としては書き込みで60GBほどキャッシュがあり、速度が半分ほどに落ちました。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度を確認してみました。
エアフローなど放熱機能がそこまで高くない環境でも最大で33℃くらいでした。
WD Blue SA510 レビューまとめ
この記事では「【WD Blue SA510 レビュー】手頃な価格だけど大きいファイルは苦手なSSD」について紹介しました。
WD Blue SA510 1TBモデルは、手頃な価格と安定した性能を求めるなら魅力的な選択肢です。
ただし60GBを超えるような動画など大きなサイズのファイルをよく扱うなら、おすすめはできない結果でした。
SATA接続SSDとしては十分な性能を発揮し、一般的な事務作業や調べ物に使うPC環境なら、快適に使えると思います。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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