前モデル「860 EVO」よりランダムアクセス性能が向上し、TurboWrite機能で大データ転送でも速度が落ちにくい2.5インチSSDです。
2.5インチのSSDは、気軽にパソコンのデータ保存領域を増やせるPCパーツです。
データ転送速度はSATAの上限近くまで来ているので、最近のモデルでは大きく成長はしていません。
NVMe SSDの方が小型で速度が速いこともあり、注目度も下がっています。
サムスン 870 EVOは3年ぶりのモデルチェンジで、ランダムデータの速度が少し向上しています。
急いでSSDを交換するほどではないですが、古い2.5インチSSDを使用しているなら、体感的にもパソコン作業が改善するかもしれません。
特に870 EVOは大きいファイルサイズのデータでも転送速度が落ちないので、動画や画像など大きいデータを扱うのに適していると思います。
各モデルの価格や速度をかんたんにまとめると、このようになります。
容量 | 価格 | GB単位 | 公称最速度(リード/ライト) | |
MZ-77E250B/IT | 250GB | 5,000円 | 20円 | 560MB/s、530MB/s |
MZ-77E500B/IT | 500GB | 7,000円 | 13円 | 560MB/s、530MB/s |
MZ-77E1T0B/IT | 1TB | 11,000円 | 11円 | 560MB/s、530MB/s |
MZ-77E2T0B/IT | 2TB | 27,000円 | 13円 | 560MB/s、530MB/s |
MZ-77E4T0B/IT | 4TB | – | – | 560MB/s、530MB/s |

購入するなら1TB以上がおすすめ!
この記事では「【サムスン 870 EVO レビュー】データ転送速度が落ちない快適なSSD」について紹介します。
Samsung 870 EVOの特長
Samsung 870 EVOは、2018年に発売された860 EVOの後継モデルになります。
新しいV-NANDを採用し、コントローラーも最新の「MKX」が搭載されています。
250GB、500GBモデルはSLCキャッシュが切れると遅くなるので、1TB以上がおすすめです。
Samsung 870 EVOシリーズの容量
Samsung 870 EVOシリーズには、容量違いの5種類があります。
- 250GB
- 500GB
- 1000GB(1TB)
- 2000GB(2TB)
- 4000GB(4TB)
表記上の速度は同じですが、TurboWrite機能では1TB以上のモデルが最速でおすすめです。
4TBモデルはまだ発売されていませんが、現状でGB単価の価格は1TBモデルが1番コスパが良いです。
メーカー名 | Samsung | ||||
---|---|---|---|---|---|
型番 | MZ-77E250B/IT | MZ-77E500B/IT | MZ-77E1T0B/IT | MZ-77E2T0B/IT | MZ-77E4T0B/IT |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB | 4TB |
フォームファクタ | 2.5インチ | ||||
インターフェース | SATA 6Gb/s | ||||
コントローラー | Samsung MKX | ||||
NAND Flash メモリー | Samsung V-NAND 3bit MLC(TLC) | ||||
読み出し | 560MB/s | ||||
書き込み | 530MB/s | ||||
MTBF | 150万時間 | ||||
総書き込み容量 | 150TBW | 300TBW | 600TBW | 1200TBW | 2400TBW |
サイズ | 厚さ7mm | ||||
保証期間 | 5年間 | ||||
目安価格 | 5,000円 | 7,000円 | 11,000円 | 27,000円 | – |
GB単価 | 20円 | 13円 | 11円 | 13円 | – |
発売時期 | 2021年1月 | 未定 |
データ転送速度
CrystalDiskMarkで計測した結果は、1GiBのサイズでは公称値どおり、読み出し560MB/s、書き込み530MB/sの速度も確認できました。
870 EVOは860 EVOよりもランダムライト性能が向上しています。
読み出し | 書き込み | |
---|---|---|
1回目 | 561 MB/s | 529 MB/s |
2回目 | 561 MB/s | 530 MB/s |
3回目 | 562 MB/s | 528 MB/s |
4回目 | 561 MB/s | 528 MB/s |
5回目 | 561 MB/s | 527 MB/s |
平均 | 561 MB/s | 528 MB/s |
これ以外のベンチマーク結果は、こちらのベンチマーク結果で紹介しています。
MZ-77E1T0B/IT の同梱品
Samsung 870 EVOシリーズの1TBモデル「MZ-77E1T0B/IT 」には、以下の付属品が同梱されていました。
- SSD本体
- ドキュメント
外箱内のSSD本体は、プラスチックのケースで守られています。
SanDisk SSD PLUSの外観
Samsung 870 EVO「MZ-77E1T0B/IT」の外観は、黒い筐体に白色のメーカーロゴが映えるシンプルなデザインです。

「860 EVO」と同じデザイン?
SSD本体の側面には、2箇所ネジ穴があります。
裏面にもネジ穴が4箇所あるので、一般的なPCなら固定できるはずです。
PCケースによって固定の仕方は違いますが、横のネジ穴などで固定します。
重さ
1TBモデルのMZ-77E1T0B/ITの重さは約46gで、SSDとしては普通くらいでした。
Samsung 870 EVOベンチマーク
計測したパソコン環境はインテルのミニPC「BXNUC10i7FNH」を使いました。
モバイル向けCPUですが第10世代CPUで上位モデルとなっています。
ヒートシンクはありますが、エアフローなど放熱性はそこまで高くないミニPCです。
結果としては、1TBモデルの MZ-77E1T0B/IT はスペックが高くないPCでも公称値どおりの速い結果でした。
TurboWrite機能のおかげで、SLCキャッシュが切れて速度が落ちないので、普通の作業でも体感的に快適に使えそうです。
S.M.A.R.T
インテルNUCのミニPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は31℃くらいです。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune
CrystalDiskMarkの1GiBで計測した結果は、公式値どおりの速度が確認できました。
読み出し | 書き込み | |
---|---|---|
1回目 | 561 MB/s | 529 MB/s |
2回目 | 561 MB/s | 530 MB/s |
3回目 | 562 MB/s | 528 MB/s |
4回目 | 561 MB/s | 528 MB/s |
5回目 | 561 MB/s | 527 MB/s |
平均 | 561 MB/s | 528 MB/s |
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
サイズが大きいくても、速度は変わらず優秀です。
途中一瞬落ちることなく、ほぼ一定の速度という結果でした。
SLCキャッシュ
HD Tune ProのFile Benchmarkで300GBほど読み書きして、SLCキャッシュの挙動を調べてみました。
870 EVOはTurboWrite機能を搭載しているので、キャッシュ容量を超えても速度が一定になります。
多くのSSDは途中から速度が落ちてしまいますが、870 EVOは落ちなくて体感的にも快適に使えると思います。
250GB、500GBモデルはキャッシュが切れると遅くなります。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFO64で確認してみました。
エアフローなど放熱機能がそこまで高くない「BXNUC10i7FNH」では最大で53℃くらいで、結構発熱する感じでした。
CrystalDiskInfoでも43℃を確認できました。
Samsung Magicianツール
870 EVOシリーズで使えるSSDソフト「Samsung Magician」は、こちらの公式サイトから無料ダウンロードできます。
Samsung Magicianはデータの完全削除や健康状態のチェック、ファームウェア更新などいろいろできます。
基本機能
Samsung Magicianを起動するとDrive Infomationが表示され、温度やドライブの状態を確認できます。
Drive Detailsではシリアル番号やファームウェアversionなど詳細を確認できます。
SSDファームウェアを更新する
左下の「Update」から最新のファームウェアを確認&更新することができます。
不具合修正や性能の向上する可能性があるので、可能なら実行しておくと安心です。
データを完全消去する
SSDのデータを復元できないように完全消去するには、Secure Eraseから実行します。
作業にUSBメモリなどが必要になり、電源ケーブルの抜き差しなどが必要になるなど少し手間でした。
Secure Eraseの使い方は、こちらの完全消去について解説した記事をお読みください。
よくある質問
Samsung 870 EVOのよくある質問を紹介します。
Samsung 870 EVOの最大容量は?
Samsung 870 EVOシリーズの最大容量は4TBになります。詳しくはこちらの容量一覧でまとめました。
最大の速度はいくつ?
公式の値では読み出し速度は560MB/s、書き込み速度は530MB/sです。各モデルでの速度の違いは、こちらの一覧から確認できます。
860 EVOとの大きな違いは?
870 EVOは第6世代V-NANDを採用し、ランダムアクセスが向上しています。また、新型コントローラーの「Samsung MKX」を搭載しています。
870 EVOの特に良いところは?
1TB以上のモデルでは、大きなファイルの移動でも速度が落ちないところです。
Samsung 870 EVO レビューまとめ
この記事では「【サムスン 870 EVO レビュー】データ転送速度が落ちない快適なSSD」について紹介しました。
870 EVOシリーズはTurboWrite機能のおかげで、キャッシュ切れで速度が落ちない使いやすいSSDでした。
SATA接続の2.5インチSSDは、データ転送速度に大きな進化はないPCパーツです。
870 EVOは内部パーツが最新のものにアップグレードされ、転送速度も少し向上しています。
SSDも使い続ければ壊れる可能性が上がるので、コスパも良い870EVOは買い替えの選択肢に入れたいSSDです。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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