PCIe 3.0 NVMe SSDで読み書き約2,000MB/s、一般的な作業やゲーム用途に向いているSSDです。
データを保存するPCメモリで老舗のMicron製のメモリを採用しているCrucialのSSDになります。
Crucial P2シリーズは、2018年に発売されたP1シリーズの後継モデルで、速度などが向上しています。
PCI Express 3.0対応のNVMe SSDで最速クラスではありませんが、プロ作業でなければ十分な速度だと思います。
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今回試したのは1TBモデルの「CT1000P2SSD8JP」で、読み出し速度は2,491MB/s、書き込み速度は1,941MB/sになります。
使用率が増えても速度が落ちません
数百GB以上の大きなファイルをコピーしても速度が落ちないので、長期間 安定して使うのに向いていそうです。
ただしQLC NANDなので、TLCタイプのSSDよりも書き込み総容量(TBW)が小さくなっています。
この記事では「Crucial P2 レビュー、PCIe3対応のエントリー向けNVMe SSD」について紹介します。
Crucial P2 NVMe SSDの特長
「Crucial P2」シリーズは、一般的なゲーム・PC作業用途に向いているNVMe SSDです。
Crucialといえばデータを保存するメモリに強いこともあり、その技術力に人気のあるメーカーだと思います。
もっと高機能なSSDを探しているならP5 Plusシリーズになるので、手軽に高速環境を構築したいならちょうど良さそうです。
Crucial P2 シリーズの主な性能
Crucial P2シリーズには、250GB、500GB、1TB、2TB の4種類あります。
250GBと500GBモデルは大きく書き込み速度が遅いので、買うなら1TB以上がおすすめです。
メーカー名 | Crucial | |||
---|---|---|---|---|
型番 | CT250P2SSD8JP | CT500P2SSD8JP | CT1000P2SSD8JP | CT2000P2SSD8 |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
フォームファクタ | M.2-2280 | |||
インターフェース | PCIe 3.0 x4 / NVMe | |||
コントローラー | PHISON | |||
NAND Flash | Micron 3D QLC NAND | |||
読み出し | 2,100MB/s | 2,300MB/s | 2,400MB/s | |
書き込み | 1,150MB/s | 940MB/s | 1,800MB/s | 1,900MB/s |
総書き込み容量 | 150TBW | 300TBW | 600TBW | |
サイズ | 2280 | |||
保証期間 | 5年間 | |||
目安価格 | 5,200円 | 7,000円 | 13,000円 | 27,000円 |
GB単価 | 21円 | 13円 | ||
発売時期 | 2020年04月 | 2020年10月 | 2020年11月 |
QLC NANDだけあってTLCモデルと比べると、総書き込み容量は1TBモデルでは300TBWとそこまで高くありません。
耐久性の参考になるTBWが優秀なSSDを選びたいなら、こちらのTBWを比較した記事が参考になると思います。
コントローラーはPHISON製
搭載されているコントローラーはPHISONコントローラーです。
ツールで確認したところ、1TBモデルではPHISON PS5013-E13が搭載されていました。
DRAMキャッシュ
海外の情報によるとCrucial P2はDRAMキャッシュを搭載していないタイプのようです。
Crucial P2の同梱品
Crucial P2「CT1000P2SSD8JP」には本体と取扱説明書だけ付属しています。
ネジやヒートシンクは付属していないので、マザーボードに付属しているものを使うか別途購入する必要があります。
箱の中はプラスチックケースで、動かないように固定されていました。
Crucial P2の外観
Crucial P2の外観は水色が特長的で、片面実装で放熱性のあるラベルが貼られています。
表面にはコントローラーなどのチップが載っています。
裏面には放熱性のあるラベルもない片面実装タイプでした。
端子の形状は切り欠きが1つの「M-Key」です。
メモリやコントローラーなどのチップ類全体にラベルが貼られています。
大きさ
M.2 2280なので、長さは規定通りの80mmです。
幅はほぼ22mmちょうどでした。
厚さは片面実装なので薄めの1.7mmでした。
重さ
1TBモデルの重さは、片面実装なので軽めの 約6.3gです。
ベンチマーク
1TBモデルの「Crucial P2」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | NZXT H210 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3500 |
マザーボード | GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI |
ヒートシンク | MB標準搭載 |
メモリ | G.SKILL DDR4-3200 16GB |
ビデオカード | MSI GeForce GTX 1650 D6 AERO ITX OCV1 |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
結果としては「Crucial P2」は少しの発熱で、データ転送速度は公称値よりもずいぶん良い結果でした。
SLCキャッシュ切れで速度が落ちることもなくて、ずっと使っていても体感的に速度が遅いと感じることはなさそうです。
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は38 ~ 41℃くらいでした。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune
CrystalDiskMarkの1GiBで計測した結果は、公式値よりも少し良い速度が確認できました。
というよりも書き込み速度は上位の2TBレベルの好結果です。
1TBのモデルでは読み出し速度は2,491MB/s、書き込み速度は1,941MB/sくらいの性能でした。
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
ランダムの書き込み性能が少し落ちてしまいますが、読み出し性能はほとんど変わらずでした。
SSDの空き容量で速度が変わるかもチェックしてみました。
半分ほどデータを保存している状態でも速度に変化はありませんでした。
4分の3ほど使用している状態でも速度は変わらずでした。
90%使用していても速度に影響はありませんでした。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
大体1,900 ~ 3,000 MB/sくらいのレンジで、右肩上がりの速度という結果でした。
圧縮率が高くなるほど転送速度が増します。
圧縮技術をサポートしているので、段々と速度が上がる結果になっています。
公称値より速い結果でした。
SLCキャッシュ
HD Tune Pro の File Benchmark で、60GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
60GBでは特に転送速度が落ちることもなく、200GBにしても速度は落ちませんでした。
キャッシュ切れで速度は落ちないので、大容量ファイルの扱いも体感が変わらないです。
500GBモデルだと24GBで落ちるという情報もあるので、1TBと挙動が少し異なる?
実際に250GBくらいのファイルをコピーしてみると、ダイアログ上でも1,300MB/sくらいの速度で安定してコピーできていました。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFOで確認してみました。
エアフローなど放熱機能が、そこまで高くないミドルクラスのPCでも最大で54℃くらいでした。
CrystalDiskInfo上でも54℃ほどで、高温になることはありませんでした。
それでもヒートシンクは必須!
Crucial P2のSSD管理ツール
CrucialのSSDを管理するソフトは「Storage Executive」で、こちらの公式サイトから無料ダウンロードできます。
Storage Executiveは健康状態のチェック、接続情報などいろいろ確認できます。
SSDを本格的に使い始める前に、ファームウェアの更新が無いか確認するのがおすすめです。
SSDを手放す前の初期化
Crucial P2を手放す前にやることで、ファイルを普通にゴミ箱に入れるだけでは復元される可能性があります。
HDDのようにツールでゼロライトなどしても効果がないので、SSD用の初期化作業が必要です。
Crucial SSDでデータの完全消去をするには、「サニタイズ」か「PSIDを元に戻す」を実行すれば良いそうです。
左メニューの「ドライブのサニタイズ」をクリックすると、対応するドライブが見つかりませんと言われます。
「PSID」も同様に実行できません。
「ドライブのフォーマット」を選択すると、Windowsから一時的にドライブをオフラインにして外している状態に変更できます。
オレンジ色のボタンからドライブを「アンマウント」してあげます。
ドライブをアンマウント状態にすれば「サニタイズ」をして、データの完全消去が実行できるようになります。
ラベルのPSIDを入力してPSIDを元に戻す操作もできるようになっています。
よくある質問
Crucial P2 CT1000P2SSD8JPについての、よくある質問などを紹介します。
TBW(総書き込み容量)はいくつ?
容量ごとに異なりますが、1TBモデルのCT1000P2SSD8は、300TBWです。詳しくはこちらの一覧をご覧ください。
価格はいくら?
1TBモデルのCT1000P2SSD8は約1万3千円で、GB単価は13円です。
ネジやヒートシンクは付属している?
CT1000P2SSD8には、ネジやヒートシンクは付属していません。付属品については、こちらの同梱物についてをお読みください。
Crucial P2 レビューまとめ
この記事では「Crucial P2 レビュー、PCIe3対応のエントリー向けNVMe SSD」について紹介しました。
Crucial P2シリーズは一般作業・ゲーム用途のエントリー向けSSDです。
PCI Express 3.0 NVMe で、最速クラスではないですが、読み出し速度は2,491MB/s、書き込み速度は1,941MB/s と普通のSATA SSDと比べれば段違いに速いです。
ディスク容量いっぱいに使っても速度が落ちない高速環境を作りたいならオススメ。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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