Alder LakeからTDPではなく、PBP・MTPという新しい指標で消費電力を見積もるようになりました。
インテル第12世代CPU(Alder Lake)からPBP・MTPという仕様が増えて消費電力が少し分かりにくくなってしまいました。
略称 | 名称 | |
---|---|---|
PBP | Processor Base Power | 定格 |
MTP | Maximum Turbo Power | 最大 |
第11世代のCPUと比較して性能がすごいパワーアップしたけれど、消費電力も上がってしまったという情報もあり、新しいCPUを使うのに少し不安がありました。
そこで実際にCore i5 12600Kを使って、PC全体の消費電力を計測してみました。
結果としてはアイドル状態での消費電力は、あまり変わりませんでした。
Alder Lake CPUのTDP仕様
第12世代CPUからTDPという仕様は無くなり、代わりにPBPとMTPという仕様・解釈になりました。
- PBP
- Processor Base Power
- MTP
- Maximum Turbo Power
Alder Lakeの各CPUとPBP・MTPを一覧にまとめると、このようになります。
CPU | Pコア | Eコア | PBP | MTP |
---|---|---|---|---|
Core i9 12900K | 8 | 8 | 125W | 241W |
Core i9 12900KF | 8 | 8 | 125W | 241W |
Core i9 12900 | 8 | 8 | 65W | 202W |
Core i9 12900F | 8 | 8 | 65W | 202W |
Core i9 12900T | 8 | 8 | 35W | 106W |
Core i7 12700K | 8 | 4 | 125W | 190W |
Core i7 12700KF | 8 | 4 | 125W | 190W |
Core i7 12700 | 8 | 4 | 65W | 180W |
Core i7 12700F | 8 | 4 | 65W | 180W |
Core i7 12700T | 8 | 4 | 35W | 99W |
Core i5 12600K | 6 | 4 | 125W | 150W |
Core i5 12600KF | 6 | 4 | 125W | 150W |
Core i5 12600 | 6 | 0 | 65W | 117W |
Core i5 12600T | 6 | 0 | 35W | 74W |
Core i5 12500 | 6 | 0 | 65W | 117W |
Core i5 12500T | 6 | 0 | 35W | 74W |
Core i5 12400 | 6 | 0 | 65W | 117W |
Core i5 12400F | 6 | 0 | 65W | 117W |
Core i5 12400T | 6 | 0 | 35W | 74W |
Core i3 12300 | 4 | 0 | 60W | 89W |
Core i3 12300T | 4 | 0 | 35W | 69W |
Core i3 12100 | 4 | 0 | 60W | 89W |
Core i3 12100F | 4 | 0 | 58W | 89W |
Core i3 12100T | 4 | 0 | 35W | 69W |
計測したPC環境
PCの環境は以下の表の通りで、計測には電源ケーブルにワットチェッカーを取り付け、PC全体にかかる消費電力を計測しました。
グラボは使わずにオンボードのHDMI出力でモニターを使いました。
CPU | Core i5 12600K |
---|---|
メモリ | crucial DDR4 PC4-25600 16GB 4枚 |
MB | MSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4 |
電源ユニット | ANTEC NeoECO NE750G M |
CPUクーラー | SCYTHE 虎徹 MarkII Rev.B |
ケース | Corsair 5000D Tempered Glass |
SSD | crucial P5 Plus |
OS | Windows10 (64bit) |
Core i5 12600Kでの電力計測結果
公式のMTP値が150WであるCore i5 12600Kを使って、アイドル状態とベンチマークソフト「CINEBENCH R23」で高負荷状態のシステム全体の消費電力を計測しました。
PC状態 | 消費電力 |
---|---|
アイドル時 | 34W |
高負荷時 | 172W |
アイドル時の消費電力
PCを起動して少し放置して何も作業していないときの、アイドル状態での消費電力を計測しました。
アイドル状態での消費電力は約34Wと、今までのCPUと大きく変わらない感じの消費電力の印象です。
高負荷時の消費電力
CPUがめっちゃ処理していて負荷がかかる状態での消費電力も計測しました。
Cinebench R23というCPUなどの性能を測れる有名なベンチマークを実行して、そのベンチマーク実行中の消費電力を確認しました。
結果は約172Wでした。
公式のMTP値は150Wなので、MTPより少し高い数値になりました。
CPU以外にMBやファン、SSD、キーボードなどの周辺機器も接続しているので、その分が影響しているのかなと思います。
Alder Lake 消費電力計測 まとめ
Alder Lake(第12世代)CPUは、今までのCPUと比べて大きくアイドル時の消費電力が上がったわけではありませんでした。
PC状態 | 消費電力 |
---|---|
アイドル時 | 34W |
高負荷時 | 172W |
ただこれには罠があって、DOS/V REPORTによると、メモリがDDR5だとDDR4よりも消費電力が高くなるそうです。
アイドル時でも10Wくらい消費電力が上がってしまうので、電気代を抑えたいならDDR4を選択するのが良さそうな印象でした。
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