PCIe 3.0 NVMe SSDで読み出し約3,600MB/s、一般的な作業やゲーム用途に向いているSSDです。
「WD Blue SN570」シリーズは、前モデルのWD Blue SN550よりもかなり速くなったNVMe SSDです。
DRAMキャッシュレスで、基板上のチップは少なめでシンプルな作りでした。
今回試したのは1TBモデル「WDS100T3B0C」で、読み出し速度は3,613MB/s、書き込み速度は3,168MB/sになります。
PCIe 3.0の上限に近い速度が出てくれました。
動画など大きなサイズのファイルの扱いは向いていませんが、一般的なゲーム・PC作業用途に向いているNVMe SSDです。
快適PCに欠かせないガジェット!
写真や文書ファイルなど小さめのファイルをメインに使うなら、性能を発揮できておすすめです。
この記事では「【WD Blue SN570 レビュー】読み書きが向上した高速な廉価NVMe SSD」について紹介します。
WD Blue SN570 NVMe SSDの特長
「WD Blue SN570」シリーズは、一般的なゲーム・PC作業用途に向いているNVMe SSDです。
前モデルのWD Blue SN550よりも速度はかなり改善されています。
ただしSLCキャッシュは大きくないので、動画編集など12GB以上あるようなファイルの扱いには向いていません。
WD Blue SN570 シリーズの主な性能
WD Blue SN570シリーズには、250GB、500GB、1TB、2TB の4種類あります。
250GBと500GBモデルは大きく書き込み速度が遅いので、買うなら1TBがおすすめです。
メーカー名 | Western Digital | |||
---|---|---|---|---|
型番 | WDS250G3B0C | WDS500G3B0C | WDS100T3B0C | WDS200T3B0C |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
フォームファクタ | M.2-2280 | |||
インターフェース | PCIe 3.0 x4 / NVMe | |||
コントローラー | SanDisk製 | |||
NAND Flash | 3D TLC NAND | |||
読み出し | 3,300MB/s | 3,500MB/s | ||
書き込み | 1,200MB/s | 2,300MB/s | 3,000MB/s | 3,500MB/s |
総書き込み容量 | 150TBW | 300TBW | 600TBW | 900TBW |
サイズ | 2280 | |||
保証期間 | 5年間 | |||
目安価格 | 6,700円 | 7,200円 | 13,000円 | 30,000円 |
GB単価 | 27円 | 14円 | 13円 | 15円 |
発売時期 | 2021年11月 | 2022年03月 |
耐久性の参考になるTBWが優秀なSSDを選びたいなら、こちらのTBWを比較した記事が参考になると思います。
コントローラーはSanDisk製
搭載されているコントローラーはSanDisk製コントローラーです。
チップを見ると SanDisk 20-82-10023-A1 が搭載されていました。
DRAMキャッシュ無しタイプ
WD Blue SN570はDRAMキャッシュを搭載していないタイプのSSDです。
DRAMレスですが速度は速いです。
NANDフラッシュメモリ
NANDフラッシュメモリは「SanDisk 014130 1T00」が載っていました。
WD Blue SN570の同梱品
WD Blue SN570「WDS100T3B0C」には本体と取扱説明書だけ付属しています。
ネジやヒートシンクは付属していないので、マザーボードに付属しているものを使うか別途購入する必要があります。
箱の中はプラスチックケースで、動かないように固定されていました。
WD Blue SN570の外観
WD Blue SN570の外観は名前の通り水色が特長的で、片面実装でラベルが貼られています。
表面にはコントローラーなどのチップが載っています。
裏面には放熱性のあるラベルもない片面実装タイプでした。
端子の形状は切り欠きが1つの「M-Key」です。
メモリやコントローラーなどのチップ類はむき出しで、放熱性のあるラベルは貼られていません。
大きさ
M.2 2280なので、長さは規定通りの80mmです。
幅はほぼ22mmちょうどでした。
厚さは片面実装なので薄めの2.1mmでした。
重さ
1TBモデルの重さは、片面実装なので軽めの 約6.3gです。
ベンチマーク
1TBモデルの「WD Blue SN570」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | NZXT H210 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3500 |
マザーボード | GIGABYTE X570 I AORUS PRO WIFI |
ヒートシンク | MB標準搭載 |
メモリ | G.SKILL DDR4-3200 16GB |
ビデオカード | MSI GeForce GTX 1650 D6 AERO ITX OCV1 |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
結果としては「WD Blue SN570」は少しの発熱で、データ転送速度は公称値よりもずいぶん良い結果でした。
12GBくらいでSLCキャッシュ切れて速度が落ちてしまうのが残念でした。
大きなファイルは向いていませんが、一般的なファイルなら快適に使えそうです。
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は38℃くらいでした。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune
CrystalDiskMarkの1GiBで計測した結果は、公式値よりも良い速度が確認できました。
1TBのモデルでは読み出し速度は3,613MB/s、書き込み速度は3,168MB/sくらいの性能でした。
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
残念ながら全体的な性能は落ちてしまいました。
SSDの空き容量で速度が変わるかもチェックしてみました。
4分の3ほど使用している状態でも速度は変わらずでした。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
3,000 MB/sくらいのレンジで、一定の速度という結果でした。
ほぼ公称値に近い結果でした。
SLCキャッシュ
HD Tune Pro の File Benchmark で、20GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
12GBくらい書き込んだあたりで速度が600MB/sに落ちてしまいました。
SLCキャッシュは12GBくらいなので、動画編集など大きなファイルを扱いには向いていなさそうな結果でした。
実際に90GBくらいの大ファイルをコピーしてみると、ダイアログ上でも600MB/sくらいの速度しか出ませんでした。
SLCキャッシュの12GBより小さい5GBくらいのファイルなら、1,700MB/sと高速なコピーができました。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFOで確認してみました。
エアフローなど放熱機能が、そこまで高くないミドルクラスのPCでも最大で56℃くらいでした。
CrystalDiskInfo上でも56℃ほどで、高温になることはありませんでした。
それでもヒートシンクは必須!
WD Blue SN570のSSD管理ツール
「WD Blue SN570」で使えるソフト「Dashboard」は、こちらの公式サイトから無料ダウンロードできます。
サイトは英語でしたがソフトは日本語表記なので、わかりやすいです。
「Dashboard」では、データの完全削除や健康状態のチェック、ファームウェア更新などいろいろできます。
「Dashboard」を起動すると、ドライブのステータスなどが表示されます。
ツールタブの「その他のソフトウェア」には、SSD内のデータのお引越しに役立つクローニングソフトがあります。
ツールタブの「ドライブの消去」からは、データを完全消去できるサニタイズを実行することができます。
よくある質問
WD Blue SN570 WDS100T3B0Cについての、よくある質問などを紹介します。
TBW(総書き込み容量)はいくつ?
容量ごとに異なりますが、1TBモデルのWDS100T3B0Cは、600TBWです。詳しくはこちらの一覧をご覧ください。
価格はいくら?
1TBモデルのWDS100T3B0Cは約1万3千円で、GB単価は13円です。
ネジやヒートシンクは付属している?
WDS100T3B0Cには、ネジやヒートシンクは付属していません。付属品については、こちらの同梱物についてをお読みください。
WD Blue SN570 レビューまとめ
この記事では「【WD Blue SN570 レビュー】読み書きが向上した高速な廉価NVMe SSD」について紹介しました。
WD Blue SN570シリーズは一般作業・ゲーム用途のエントリー向けSSDです。
2020年1月に発売されたWD Blue SN550よりもリード・ライトのどちらも向上していました。
動画など大きなファイルの扱いは苦手ですが、写真や文書ファイルくらいなら高速です。
保存容量が増えても速度に影響はないので、長期間使っても快適そうです。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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