前モデルよりも性能アップし、さらに高速なデータ伝送ができ、GB単価も安めなコスパも良いNVMe SSDです。
PCを体感的に動作を軽くしたいなら、PC周辺機器のNVMe SSDを導入すると劇的に改善します。
中でも Samsung 990 PRO はPCI Express 4.0で最高クラスの性能を持つSSDです。
前モデルの980 PROも高性能でしたが、その980 PROを超える性能なので、買い換えを検討したくなるくらいに性能アップしています。
データを75%以上保存していてもベンチマークの結果に影響なかったので、長期間使っても安心だし動画編集などにも向いているNVMe SSDでした。
この記事では「【Samsung 990 PRO レビュー】980PROを超えるハイクラスなNVMe SSD」について紹介します。
Samsung NVMe 990 PRO の特長
サムスンSSD「990 PRO」シリーズは、PCI Express 4.0 NVMe M.2 SSDです。
2020年に発売された「980 PRO」の後継モデルで、最上位にあたるハイスペックモデルになります。
Samsung NVMe 990 PROシリーズの仕様
Samsung NVMe 990 PROシリーズは、1TB、2TB、4TB の3種類あります。
サイズごとの速度のスペックは同じで、一番容量の大きい4TBがGB単価が安くなっています。
メーカー名 | サムスン | ||
---|---|---|---|
型番 | MZ-V9P1T0B-IT | MZ-V9P2T0B-IT | MZ-V9P4T0B-IT |
容量 | 1TB | 2TB | 4TB |
フォームファクタ | M.2-2280 | ||
インターフェース | PCIe 4.0 x4 / NVMe | ||
コントローラー | Samsung 自社製コントローラ | ||
NAND Flash | V-NAND TLC | ||
読み出し | 7,450MB/s | ||
書き込み | 6,900MB/s | ||
総書き込み容量 | 600TBW | 1,200TBW | 2,400TBW |
サイズ | 2280 | ||
保証期間 | 5年 | ||
目安価格 | 24,000円 | 43,000円 | 42,980円 |
GB単価 | 24円 | 21円 | 11円 |
発売時期 | 2022年12月 | 2023年10月 |
Full Power Mode 機能をサポート!
Full Power Mode 機能は、こんな使い方におすすめな機能です!
- ゲーム
- プロ用作業
通常のSSDでは、SSDを使用していないとスリープ状態になってしまいます。
スリープモードから再度アクティブ状態にするには、少しタイムラグが発生してしまい、ちょっとファイルの扱いが遅くなります。
新たに追加されるFull Power Mode機能は、常にSSDをアクティブ状態にしてくれる機能です。
スリープ状態にならないので、いつでもすぐにファイルを扱うことができます。
消費電力は少し上がってしまうかもしれませんが、作業やゲームをするときには良さそうです。
設定は管理ソフト「Samsung Magician」を使って、かんたんに切り替えることができます。
放熱対策
Samsung NVMe 990 PRO は片面実装ですが、裏面にもラベルが貼られています。
裏面のラベルは「ヒートスプレッダーラベル」と呼ばれる放熱性が高いラベルです。
チップの無い裏面からも放熱性を上げる工夫がされています。
Samsung NVMe 990 PROの同梱品
「Samsung NVMe 990 PRO」には本体と取扱説明書だけ付属しています。
ネジやヒートシンクは付属していないので、マザーボードに付属しているものを使うか別途購入する必要があります。
箱の中はプラスチックケースで、動かないように固定されていました。
Samsung NVMe 990 PROの外観
Samsung NVMe 990 PROの表面には、コントローラとNANDフラッシュメモリなどのチップが載っています。
裏面にはチップが無い片面実装タイプのSSDでした。
裏面のラベルは「ヒートスプレッダーラベル」と呼ばれる放熱性能が高いラベルが貼られています。
横から見ると裏面のラベルも少し厚みがあるのが分かりました。
SSD 990 PROの端子形状は切り欠きが1つの「M-Key」です。
大きさ
フォームファクタはM.2 2280なので、長さは規定通りの80mmです。
幅も規格通りのほぼ22mmでした。
片面実装なので厚さは2.4mmくらいと薄めです。
重さ
990 PROの4TBモデルの重さは約8.6gです。
ベンチマーク
4TBモデルの「Samsung NVMe 990 PRO」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | NZXT H210 |
---|---|
CPU | Intel Core i5-12400 |
マザーボード | ASUS ROG STRIX B660-I GAMING WIFI |
ヒートシンク | MB標準搭載 |
メモリ | Crucial DDR5 PC5-38400 16GB |
ビデオカード | なし |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は49℃くらいだったの少し高目でした。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune Pro
4TBモデルでは読み出し速度は7,131MB/s、書き込み速度は6,848MB/s でした。
公称値の読み出し速度は7,450MB/sなので、公式の値よりも遅い結果になりました。
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
64GiBという大きいサイズでも速度は変わらずに高速なままでした。
また4分の3ほどデータを保存している状態で計測してみましたが、大きく性能は変わらずでした。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
読み出し速度は25%あたりで下がる結果でした。
読み出し・書き込み性能は、CrystalDiskMarkの計測結果と同じくらいの速度性能でした。
SLCキャッシュ
HD Tune ProのFile Benchmarkで260GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
ドライブの容量ゼロの状態では、260GBという大きいサイズでも速度は落ちませんでした。
1TBモデルでは114GB、2TBモデルは226GBのSLCキャッシュらしいので、けっこうな余裕がありそうです。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFOで確認してみました。
放熱機能が、そこまで高くないミドルクラスの標準搭載のヒートシンクでは最大で66℃くらいまで上がりました。
CrystalDiskInfoだと計測タイミングのズレがありますが、66℃まで確認できました。
Samsung NVMe 990 PRO のSSD管理ツール
Samsung NVMe 990 PROなどのサムスン製SSDの状態を確認したり、設定・アップデートするには「SAMSUNG Magician」を使用します。
「SAMSUNG Magician」では、データの完全削除や健康状態のチェック、ファームウェア更新などいろいろできます。
「Drive Dashboard」を起動すると、ドライブのステータスなどが表示されます。
「Performance Benchmark」では、サムスン製のベンチマークで速度を計測できます。
「Over Provisioning」ではパフォーマンスの向上と、寿命を延ばすことができる設定が可能です。
保存領域に余裕があるなら、設定しておくと安心かもです。
「Diagnostic Scan」では、サムスンSSDのエラーや異常を診断して、見つかったら修正をこころみてくれるそうです。
調子が悪いときや、たまに定期的にチェックをかけると、突然使えなくなる事態にならないかもしれません。
「Performance Optimization」では、スリープモードに移行させないことにより性能を向上させる設定を変更したりできます。
性能を上げる代償に消費電力が少し増えたりします。
「Sucure Erase」からは、データを完全消去できるSecure Eraseを実行することができます。
「Encrypted Drive」はドライブを暗号化してセキュリティを上げてくれる機能です。
Samsung NVMe 990 PRO レビューまとめ
この記事では「【Samsung 990 PRO レビュー】980PROを超えるハイクラスなNVMe SSD」について紹介しました。
Samsung 990 PRO はサムスンの上位クラスのPCIe 4.0 SSDだけあって、最高クラスの性能を持つSSDでした。
Ryzen CPUと比較してインテルCPUだと若干性能が落ちるという記事も見たのですが、普通に使うには十分な速度が出ているなと思いました。
すでにより上位の規格のPCIe5のSSDも発売されていますが、まだデバイスが豊富な状況ではないので、まだまだ数年は990 PROでも活躍できそうな性能でした。
予算を抑えて大量ファイルを扱って作業したり、ハイクオリティなゲームをプレイしたいならおすすめのSSDです。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
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