EXCERIA SSDシリーズでPCIe 3.0のNVMe SSDで、フラッシュメモリにTLCを採用しているSSDです。
M.2 NVMe SSD「EXCERIA SSD」は、「EXCERIA PLUS SSD」の下位モデルにあたります。
PCI Express 3.0対応のNVMe SSDで、規格の上限に近い速度は出ませんが、GB単価は12円ほどとコスパが良いPCパーツとなっています。
快適PCに欠かせないガジェット!
今回試したのは1TBモデルの「SSD-CK1.0N3/N」で、読み出し速度は17,00MB/s、書き込み速度は1,600MB/sになります。
ランダムな読み書きに強いのも「KIOXIA EXCERIA SSD」の特長の1つです。
大きなファイルの扱いは少し苦手
一般的な2.5インチSSDの3倍の1,600MB/s以上は出るので、HDDや2.5インチSSDからアップグレードを試すのにはちょうどいいかもしれません。
40GB以上の大きなファイルの扱いは少し弱いので、写真やドキュメントなどのファイルをメインに使うならおすすめです。
この記事では「【SSD-CK1.0N3/N レビュー】キオクシアのランダム読み書きが強いNVMe SSD」について紹介します。
KIOXIA EXCERIA NVMe SSDの特長
「KIOXIA EXCERIA SSD」シリーズは、「EXCERIA PLUS SSD」の下位に位置づけられるスタンダード向けNVMe M.2 SSDになります。
NVMe 1.3 SSD最高クラスの速度は出ませんが、SATA SSDからの置き換えなら充分な速度です。
またランダムの読み書きが得意なのも KIOXIA EXCERIA SSD の特長の1つです。
KIOXIA EXCERIA NVMe SSDシリーズの容量
KIOXIA EXCERIA NVMe SSDシリーズには、250GB、500GB、1TBの3種類あります。
どれも読み出し速度は同じですが、書き込み速度は500GB以上のモデルが最速になる仕様となっています。
メーカー名 | KIOXIA | ||
---|---|---|---|
型番 | SSD-CK250N3/N | SSD-CK500N3/N | SSD-CK1.0N3/N |
容量 | 250GB | 500GB | 1TB |
フォームファクタ | M.2-2280 | ||
インターフェース | PCIe 3.0 x4 / NVMe | ||
コントローラー | 4chコントローラー(キオクシア) | ||
NAND Flash メモリー | BiCS FLASH TLC | ||
読み出し | 1,700MB/s | ||
書き込み | 1,200MB/s | 1,600MB/s | |
総書き込み容量 | 100TBW | 200TBW | 400TBW |
サイズ | 2280 | ||
保証期間 | 5年間 | ||
目安価格 | 6,000円 | 7,000円 | 12,000円 |
GB単価 | 24円 | 14円 | 12円 |
発売時期 | 2020年7月 |
DRAMキャッシュ
DRAMキャッシュは容量によってメーカーごと異なるようです。
生産時期によって異なるかもしれませんが、ネットの記事などを調べた感じでは「SK hyinx」「Samsung」が搭載されているようです。
- 250GB
- SK hyinx「H5AN4G6NBJR-UHC」4Gbit(512MB) DDR4-2400
- 500GB
- サムスン「K4A4G165WF」4Gbit(512MB) DDR4-2666
- 1TB
- サムスン「K4A8G165WC-BCTD」8Gbit(1GB) DDR4-2666
1TBモデルなので、DRAMキャッシュはサムスン「K4A8G165WC-BCTD」が載っていました。
コントローラーはキオクシア製
搭載されているコントローラーはKIOXIA独自4chコントローラーです。
上位モデルの「EXCERIA PLUS SSD」は8chコントローラーなので、半分のch数になっています。
KIOXIA SSD-CK1.0N3/Nの同梱品
KIOXIA「SSD-CK1.0N3/N」には本体と取扱説明書だけ付属しています。
ネジやヒートシンクは付属していないので、マザーボードに付属しているものを使うか別途購入する必要があります。
箱の中はプラスチックケースで、動かないように固定されていました。
KIOXIA SSD-CK1.0N3/Nの外観
KIOXIA SSD-CK1.0N3/Nの外観は、片面実装で放熱性のあるラベルが小さいのが残念でした。
表面にはコントローラーやキャッシュなどのチップが載っています。
裏面にはチップが無い片面実装タイプのSSDでした。
端子の形状は切り欠きが1つの「M-Key」です。
大きさ
M.2 2280なので、長さは規定通りの80mmです。
幅は22mmちょうどでした。
重さ
1TBモデルの重さは250GB、500GBより少し重い、約7.0gです。
ベンチマーク
1TBモデル「KIOXIA SSD-CK1.0N3/N」をテストした環境は以下の通りで、CPU・メモリは高性能ではなく、PCケースやヒートシンクの冷却機能も高くはないです。
そこそこのスペックのミドルクラスPCでの検証になります。
PCケース | Thermaltake Versa H17 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3500 |
マザーボード | ASRock X570M Pro4 |
ヒートシンク | Archgon HS-1110 |
メモリ | G.SKILL DDR4-3200 16GB |
ビデオカード | MSI GeForce GTX 1650 D6 AERO ITX OCV1 |
OS | Windows 10 Pro 64bit版 |
テストPCについては、こちらの「10万円以下のミドルクラス自作PC」をご確認ください。
ヒートシンクはファン無しの「Archgon HS-1110」を使いました。
結果としては「KIOXIA SSD-CK1.0N3/N」は、そこそこ発熱しますが、データ転送速度は公称値よりも良い結果でした。
SLCキャッシュは40GBくらいで速度が半減してしまうので、動画などの大きなファイルには向いていなさそうです。
S.M.A.R.T
冷却性能に力を入れていないPCなので、エアフローなど放熱性能は低めですが、アイドル時の温度は32℃くらいです。
ベンチマーク結果
これらのベンチマークツールで計測してみました。
- CrystalDiskMark
- AS SSD Benchmark
- AS SSD Copy-Benchmark
- AS SSD Compression-Benchmark
- ATTO Disk Benchmark
- HD Tune
CrystalDiskMarkの1GiBで計測した結果は、公式値よりも少し良い速度が確認できました。
1TBのモデルでは読み出しも書き込みも1,700MB/sくらいの性能でした。
ランダムの読み書きも同じくらいで、ポイントが高い性能となっています。
サイズを増やして64GiBでも計測してみました。
64GiBでは、キャッシュ不足の影響か読み出し性能がガクッと落ちてしまいました。
「AS SSD Benchmark」で基本的なパフォーマンスをチェック。
書き込みは1,500MB/sくらいで、一定の速度という結果でした。
書き込み性能は、ほぼ公称値通りの性能でしたが、読み出し速度は公称値よりも良い3GB/sに近い速度でした。
SLCキャッシュ
HD TuneのFile Benchmarkで100GBほど読み書きしてSLCキャッシュの挙動を調べてみました。
40GBほどで速度が落ちるので、SLCキャッシュの容量は40GBほどになります。
キャッシュが切れると 700MB/sくらいまで速度が落ちてしまいます。
温度
ベンチマークを計測中の負荷をかけているときの温度をHWiNFOで確認してみました。
エアフローなど放熱機能が、そこまで高くないミドルクラスのPCでも最大で57℃くらいでした。
CrystalDiskInfoだと計測タイミングのズレがありますが、55℃くらいまで確認できました。
ヒートシンクは必須!
KIOXIA SSD-CK1.0N3/NのSSD管理ツール
KIOXIA SSD-CK1.0N3/Nで使えるキオクシアのSSD UTILITYソフトは、こちらの公式サイトから無料ダウンロードできます。
SSD UTILITYソフトでは、データの完全削除や健康状態のチェック、ファームウェア更新などいろいろできます。
「概要」タブでは容量や健康状態、システム詳細などを確認できます。
「チューナー」タブではベンチマーク測定などができます。
「メンテナンス」タブではファームウェアの更新やデータの完全消去などができます。
「設定」タブでは言語、ログ出力、通知などを設定できます。
必要がない限りは、特に設定する必要はなさそうです。
SSDを手放す前の初期化
KIOXIA SSD-CK1.0N3を手放す前にやることで、ファイルを普通にゴミ箱に入れるだけでは復元される可能性があります。
HDDのようにツールでゼロライトなどしても効果がないので、SSD用の初期化作業が必要です。
キオクシアのSSD Utilityにある「メンテナンス」タブからSecure Eraseで完全消去ができます。
よくある質問
SSD-CK1.0N3/Nについてのよくある質問などを紹介します。
TBW(総書き込み容量)はいくつ?
容量ごとに異なりますが、SSD-CK1.0N3/Nは、400TBWです。詳しくはこちらの一覧をご覧ください。
DRAMキャッシュは何?
時期や容量によって異なるかもしれませんが、SSD-CK1.0N3/Nはサムスン「K4A8G165WC-BCTD」が搭載されていました。詳しくはDRAMキャッシュについての項目をご覧ください。
価格はいくら?
SSD-CK1.0N3/Nは約1万2千円くらいで、GB単価12円とTLC搭載のSSDとしてもコスパが良いです。
ネジやヒートシンクは付属している?
SSD-CK1.0N3/Nには、ネジやヒートシンクは付属していません。付属品については、こちらをお読みください。
KIOXIA SSD-CK1.0N3/N レビューまとめ
この記事では「【SSD-CK1.0N3/N レビュー】キオクシアのランダム読み書きが強いNVMe SSD」について紹介しました。
KIOXIA SSD-CK1.0N3/Nは、キオクシアのメインストリーム向けのNVMe SSDでした。
最高クラスの速度を楽しむという魅力はないものの、ランダムなファイルサイズも安定した速度が強みのSSDです。
GB単価も安くてコスパが良いので、今までHDDを使っていて試しにNVMe SSDを使ってみたいならオススメです。
それでは、今回はこれまで。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント