ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」は、第8,9世代CPU(Coffee Lake、Coffee Lake Refresh)に対応しているチップセット「Z390」を搭載しているマザーボードです。
パソコンケースはATX対応で、CPUソケットはLGA1151に対応しています。
高耐久性がウリで、USB Type-Cなどを省いて低価格化を実現しています。
ASUSのマザーボードは世界で5.4億枚もの販売実績があり、日本国内シェアも高いです。
マニュアルは日本語なので、自作パソコンに慣れていない人にもおすすめです。
ASUSのチップセット「Z390」シリーズのマザーボードの種類は以下のようになっています。
シリーズ名 | シリーズ特長 |
ROG MAXIMUS | ハイエンドゲーミングPC向け、 オーバークロック向け |
ROG STRIX | ミドルレンジゲーミングPC向け |
TUF GAMING | エントリーゲーミングPC向け |
PRIME | スタンダードPC向け |
各シリーズの販売価格帯は以下のようになっています。
シリーズ名 | 価格 |
ROG MAXIMUS | 3万7千 ~ 5万8千円 |
ROG STRIX | 2万3千 ~ 3万円 |
TUF GAMING | 1万6千 ~ 2万3千円 |
PRIME | 1万6千 ~ 2万4千円 |
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」はエントリーゲーミングPC向けという位置づけで、低価格ゲーミングPC向けのマザーボードです。
USB Type-Cコネクタなどを省いて低価格を実現しているそうです。
MacBookなどではUSB Type-C対応機器が増えていますが、デスクトップではまだあまり使いみちは無いので必須とは言えない機能です。
高耐久がウリなマザーボードでもあります。
米国国防総省のMIL SPECに準拠した高性能な部品を採用して、耐久性を高めているそうです。
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」の同梱物
マザーボード本体以外には、以下のものが同梱されています。
- ユーザーマニュアル
- サポートDVD
- SATA 6Gb/Sケーブル2本
- IO シールド
- TUF GAMINGステッカー
- M.2 SSD用のスペーサーとネジ2セット
ユーザーマニュアルは日本語で記載されていますので、自作パソコンに慣れていない人にもオススメです。
サポートDVDの主な内容は、以下のとおりです。
- ドライバー各種
- ASUSユーティリティ
- EZ Update
- アンチウイルスソフト(OEM版)
特長的な機能
MemOK!Ⅱ
メモリー互換性向上機能。
マザーボードの基盤に切り替えスイッチがあります。
Q-Installer
ドライバーやユーティリティを自動でダウンロード&インストールするツールです。
Windows10をインストールして起動すると自動的にツールが起動して、必要なものを選択してインストールできます。
Q-Installerはこちらの記事でも紹介しています、興味がありましたら合わせてお読みください。
UEFI BIOS EZ Mode
直感的に操作できるグラフィカルなインターフェースです。
UEFIはUnfied Extensible Firmware Interface の略称で、今までのBIOSに代わるものです。
メーカーによって呼び方に違いがありますが、ASUSではUEFIを「UEFI BIOS」、「BIOS」と表記されています。
「UEFI BIOS」は基本的にはいじったりせず、デフォルト設定が推奨です。
AURA
AURA機能はASUSが打ち出しているパソコンを光らせたり、点滅させる機能のことです。
自作パソコンを光で演出させたい人にはオススメな機能です。
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」ではチップセット近くのロゴ部分と、メインメモリー近くのロゴ部分が光ります。
LEDなのでグラフィカルに光ります。
デフォルト設定では電源オフのシャットダウン時にも点灯します。
このマザーボード上のLEDの点灯設定を変更するツールが「AURA」です。
AURAはOSインストール時に自動で起動する「Q-Installer」からもインストールできます。
パソコン起動時の設定はゆっくり点滅させたり、レインボーで色をコロコロ変えることも簡単に変更できます。
シャットダウン時も同じように設定できます。
この画面でオフにすると、システムの電源状態が、スリープ/休止/シャットダウンになると、マザーボード上のLEDが全て消灯します。
シャットダウン時にLEDの点灯をオフにできるので寝室でも邪魔にはなりません。
CPU VRMは8+1フェーズ
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」のVRMは「8+1」フェーズです。
巨大なヒートシンクでおおわれているので、直接は見れないですがヒートシンクの中にCPU VRMがあります。
CPU VRMの役割
2018年頃からの第9世代CPUであるCoreシリーズに対応するZ390マザーボードでは10フェーズを超える製品が多いです。
上位モデルなどでは「12+2」フェーズや「16」フェーズなどのCPU VRMを搭載しているマザーボードがあります。
VRM マルチフェーズ回路の特長
- 大出力化が可能になる
- 高負荷時の応答性が向上する
- 変換効率に大きい差は無い
- 部品が増えるので高価になる
オーバークロックを積極的に活用したい場合は、フェーズ数が多いほうがCPUに安定して電力を送れるのでオススメです。
オーバクロックをしないのであれば、フェーズ数の多さはさほど気にしなくても良いです。
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」はエントリーモデルですので「8+1」フェーズなので、まずまずといった感じです。
マザーボードレイアウト
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」のレイアウトは下のようになっています。
レイアウトの内容は以下のようになっています。番号が対応しています。
バックパネル出力ポート
ゲーム向けのマザーボードなのでPS/2のマウスポートとキーボードの有線ポートが付いています。
映像出力はDisplayPort 1.2とHDMI 1.4bが1つずつあります。
DisplayPortはデイジーチェーン接続で最大3台までのディスプレイを接続することが可能です。
対応している解像度は、以下のとおりです。
映像出力ポート | 最大解像度 |
HDMI 1.4b | 4096 x 2160 @ 30 Hz |
DisplayPort | 4096 x 2304 @ 60 Hz |
バックパネルUSBポート
バックパネルのUSBポートは6つあります。
緑色のUSBポートはUSB3.1 Gen 2で2つあります。
青色の4つのUSBポートはUSB3.1 Gen 1に対応しています。
「USB3.1 Gen 2」の転送速度は10Gbpsで、「USB3.1 Gen 1」は5Gbpsに対応しています。
TUF GAMINGはエントリーゲーミングモデルで、USB Type-Cなどを省くことで低価格を実現しています。
USB Type-Cはまだデスクトップには必須だとは思わなかったので、今回は価格を優先しました。
必要になれば増設ボードでUSB Type-Cポートは増設できます。
自由に増設できるのも自作パソコンのメリットですね。
LANポート
1Gbpsに対応しているLANポートが1つあります。
10G/5Gbps LANには対応していませんが、ルーターやハブなどの関連機器は高価ですので、まだ1Gbpsでも十分な性能です。
拡張機能
拡張スロット
PCI Express拡張スロットは、以下のスロットがあります。
可もなく不可もなくといった印象のスロットです。普通に使うのであれば、問題は無いと思います。
スロット数 | 備考 | |
PCI Express 3.0 x16 | 1つ | @x16、@x8+x4+x4* |
PCI Express 3.0 x16 | 1つ | 最大 x4 動作** |
PCI Express 3.0 x1 | 4つ |
* PCI Express 3.0 x16 第1スロット(PCIEX16_1)は、Hyper M.2 x16カードで最大3枚までのM.2 SSDを取り付けることができます。
** PCI Express 3.0 第2スロット(PCIEX16_2)とPCI Express x1 第3スロット(PCIEX1_3)、第4スロット(PCIEX1_4)は同じ帯域を使用しており、同時使用には制限があります。
引用:ユーザーマニュアル
拡張できるSATAはすべて6Gb/s
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」で追加できるSATAポートは6つあります。
6つともすべて規格は同じで、6Gb/sの転送速度に対応しています。
SATAの4つは基盤に対して垂直に挿す形式で、フロントパネルコントローラーのピン近くにあります。
残りのSATAポート2つはメイン電源の近くに、基盤に平行に挿す形式です。
パソコンケースの前面に近い位置なので、接続する周辺機器の位置に合わせて使い分けると良さそうです。
M.2 SSD スロットは2つ
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」には、M.2 SSDスロットが2つあります。
どちらのスロットもPCI Express 3.0×4対応ですので性能を十分に発揮できます。
PCI Express 3.0×2やPCI Express 2.0×4だと転送速度がいまいちで、性能が半分くらいになってしまうので注意が必要です。
1つは4つのSATAポートの近くにあり、大きいヒートシンクが付いています。
ヒートシンク付きなので、発熱しやすいNVMe SSDに向いています。
もう1つはメモリーとCPUスロットの近くに、M.2 SSDスロットがあります。
M.2 SSDは規格で大きさが違いますが、SSDをマザーボードに固定するためのスペーサーとネジは付属していますのでドライバーがあれば調整して取り付けられます。
NVMe SSDは発熱で「サーマルスロットリング」が発生して、転送速度などに影響がでる恐れがあります。
ただ、2018年以降に発売されているNVMe SSDは、熱対策がされていてサーマルスロットリングが発生しにくくなっています。
それでも発熱はするので、ヒートシンクで熱を逃がす対策をしておいたほうが良いです。
NVMe SSD用のヒートシンク付き
M.2 SSD用のヒートシンク裏側には、熱を効率よく逃がすための熱伝導シートが貼ってあります。
青い保護シートが貼ってあるので目立つと思います。
使用するときは、この青い保護シートを剥がしてセットします。
NVMe SSDを取り付ける
M.2 SSDの大きさ(規格)にあった位置に、スペーサーを取り付けます。
スペーサーとネジはマザーボードに付属しています。
取り付けるにはまず、M.2 SSDをななめにスロットへ挿します。
先程取り付けた付属のネジとドライバーを使って、スペーサーにM.2 SSDを固定します。
最後に青い保護シートを外したヒートシンクをマザーボードに固定し直します。
メインメモリはDIMM DDR4が4スロット
使用できるメインメモリはDIMM DDR4を4枚積むことができて、最大64GBまで対応しています。
対応している動作クロックは以下のようになっています。
動作クロック | |
通常 | 2666/2400/2133 MHz |
オーバークロック | 4266/4133/4000/3866/ 3733/3600/3466/3400/ 3333/3300/3200/3000/ 2800 MHz |
メモリのスロットは電源コネクタとCPUスロットの間にあります。
2枚構成であれば写真の様に、電源コネクタに一番近いスロットと1つ空けたスロットに挿します。
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」 その他の外観
裏面は補強板などは無し
裏面は基盤むき出しで特にカバーなどは無いです。
ハイエンドモデルなどでは補強板が装備されているマザーボードもありますが、ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」にはありませんでした。
USB3.1 Gen 1とUSB2.0が拡張可能
USB2.0拡張コネクターとUSB3.1 Gen 1拡張コネクターがそれぞれ2つずつ拡張で追加できます。
SATA近くにUSB2.0拡張コネクターが2つあります。
USB3.1 Gen 1の拡張コネクターも2つありますが位置は離れています。
1つはUSB2.0拡張コネクターとSATAコネクターの間にあります。
もう1つは電源コネクターの近くにUSB3.1 Gen 1コネクターがあります。
MemOK! II switch
MemOK!Ⅱスイッチは互換性がないメモリーを取り付けて、電源を入れて起動に失敗した時に便利な機能です。
メモリーの問題でシステムが機能しなかった場合に、自動的に互換性の調整が実行されます。
システムパネルコネクター
パソコンケースのボタンやシステム電源のLEDケーブル、ビープスピーカーなどを取り付けるシステムパネルコネクターピンは10x2の20ピンです。
個人的には、自作パソコンをやっていて一番面倒なところです。
細かいし抜けやすい、小さめなパソコンケースだと作業しにくくて苦手です。
昔からこの作りで、何で改善しないんだろうって思います。
別売りの「コネクタ簡単脱着ケーブル」で延長すると、作業が少し楽になります。
10×2の20ピンが見つからなかったので、5×2ピンを2つで代用しました。
システムパネルコネクターピンのそれぞれ役割は、以下のようになっています。
マザーボードの基盤にもプリントされていますが見にくいので、マニュアルを見ながら作業したほうが安全です。
パネルの役割をまとめてみました。
RESETは基本的に接続しないほうが良いです。
HDD LED | HDDに読み書きしている時に点灯・点滅します。 |
PLED | 2ピンと3-1ピンの2種類あります。 ケースが対応している方に接続します。 パソコンの電源が入っている時に点灯します。 |
PWRSW | パソコンの電源ボタンです。 4秒以上長押しで強制的にオフ。 |
RESET | 強制的に再起動します。 誤作動防止の為接続しない方が無難です。 |
SPEAKER | システム警告スピーカー用のピンです。 |
まとめ
ASUS「TUF Z390-PLUS GAMING」はゲーミングモデルのマザーボードですが、耐久性もあるので一般の使用にも向いていると思います。
M.2 SSDスロットもヒートシンク付きなので、パソコンの高速化に効果絶大のNVMe SSDも安心して使えます。
価格を抑えた低価格帯でパソコンを組むならオススメです。
省かれた足りない機能などは、拡張ボードなどで増設できるものも多いので今、必須でない機能は無理をしないほうが良いです。
コメント
はじめまして。
こちらで紹介されているマザーボードと同じものを使ってPCを組みまして、付属のディスクにてドライバ関連のインストールもして、Windows10もUSBタイプのものからインストールしてみたのですが、ネットの接続が出来なくて困っています。ドライバに関してはチップセットとLANは他のPCからASUSのHPより最新版を拾ってUSBを使って更新してみましたがダメでした。この前まで使っていた古いASUSのマザーボードを使ったものに戻してみたらネットは繋がりました。ルーター再起動等ネットで色々調べては試してみたのですが、全く検討がつかなくて困っています。
何かお解りでしたら御教授頂けると助かります。
さんたく 様
コメントありがとうございます。
こちらの記事、
https://macha795.com/mb-asus-q-installer/#toc2
にある「Intel LAN ドライバのインストール確認」の手順で、ドライバのインストールは問題は無さそうでしょうか?
大丈夫そうであれば、Windowsキーを押して「Windowsの設定」アイコンをクリックし、「ネットワークとインターネット」を見たときの状態などはどうなっていますでしょうか?
この画面からトラブルシューティングツールなどで、診断できるので何か原因がわかるかもしれません。